第二首都の夜

その日、我々の街は惑星意識の航空隊の爆撃に晒される・・・と言う話だった。
だが人類の栄光の航空部隊によりそれらは全て退けられた。

街は祝賀ムードに包まれた。
各地にある防空施設では誰が持ち込んだのかギターやピアノまで持ち込まれ、兵士によって音が鳴らされた。
通りでは食事が振るわれ、みんなで思い思いのダンスを踊った。
これらは全てが美しかった。人間はみな本来は美しいのだ。
これほどまでに美しい存在に勝てる者などこの世に居ないのだ。
人類は砲火で戦うだけの存在じゃないと言うことを、惑星意識に見せつけるんだ。

私は居ても立ってもいられなくなり、大事に大事に育ていた花を植木鉢ごと持って通りに出た。
「見てくれ!こんなにも綺麗な花を咲かせることが人類には出来るんだ!」
高らかに宣言しながら道を歩いた。
ある者は歌い、ある者は踊り、ある者は奏で、ある者は色を、ある者は手話を、ある者は手品を、ある者は光を演出した。
人類が出せるあらゆるものがそこにはあった。
本当にそれは美しい。人類はなんて美しいんだろう。
とにかく私は誰でもいいからハグがしたくなった。
隣りにいる人、向いから来る人、後ろから来る人、様々な人とハグをした。
「人類の勝利だ!惑星意識にはこの程度のことすら出来ない!」
すると大きなどよめきの声が響いた。
声がする方に顔を向けると2人の若い人が車の荷台の上に乗り、高らかに宣言した。
「みんな聞いてくれ!今日、自分達は結婚することが決まった!!」
盛大な拍手と耳を貫くような激しい音と共にそれは歓迎され、受け入れられ、認められた。
「これは人類の輝かしいーー

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